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センスとは何か2019.08.22

「何が一番重要ですか?やっぱりセンスですか?」って聞かれることが多い。 センスって普通に使われる単語だけど、それに含まれる意味は多く、文脈によって解釈の仕方も様々になる。 「本能的な能力や勘」をセンスと思って使う人が大多数だと思うし、そういう意味にも当てはまるので間違いではない。 でも、「やっぱセンスですか?」って聞かれて「はい、そうっすね」とはあまり言いたくない。 なんかそれ言ったらもう元も子もないような気がするから。 元々その人に備わっている能力なんて、自分でも未知の部分が多いはず。 だからまったく何もない人が達人になったり、逆に何年やってもイマイチな人がいたり。 途中で「センス」が鈍化していく人もいれば、どんどん研ぎ澄まされていく人もいる。 こればっかりは、やってみないと分からないし、そのプロセスが大きく関わってくると思う。 自分なんか、ウエディングの仕事を始めた頃は撮影が嫌だから編集だけしかやってなかった。 重い機材持って汗水たらして撮りに行った誰かの撮影テープをもらって、自分は涼しい部屋の中でお菓子食べながら編集作業。 でもそのうち撮影にも駆り出されるようになり、泣く泣く現場へ。 教えてくれる上手い人がいるわけでもなく、フィロソフィーのあるマニュアルがあるわけでもない。 業界の未来に全く希望を見出せずに、モチベーションも低い中で始めたウエディング撮影。 大学で勉強した映像理論はそもそも映画用だし、それを応用してやろうっていう気概すら持ち合わせていない完全バイト感覚だった日々。 そこから今日に至るまでの過程を抜きにして、簡単に「センス」があったから今があるとは言いたくない。 ちなみに自分が思う「センス」とは、バランス感覚じゃないかと思う。 何かを得ようとすれば、何かを犠牲にするということを理解している人のこと。 もし今、「何が重要ですか?」って聞かれることがあるならば、間違いなく「God bless you!」(自分なりの答えを探せよ)って答えると思う。